ここはモゲタロウさんも住む町。今回の主人公一家は、ごく普通な幸せ一家です。








おっとりとした優しいママ。







そして頼もしくて男前なパパ。
普段は忙しく会社で働いています。

そしてこの家の一人娘、チヒロちゃん。
ひとりっこで可愛がられて育ったので、ちょっとわがままです。






一家はパパの昇進をきっかけにこの郊外の静かな町に引っ越してきました。
チヒロちゃんは新しい家の広さにご機嫌です。


今日は日曜日。パパの仕事はお休みです。

久しぶりの一家だんらん。





新しい家に引っ越してきて、チヒロちゃんには一つ、かなえたい夢がありました。
それは、前のマンションでは飼えなかったかわいい犬を飼うことです。

テレビで犬が出てくると、チヒロちゃんはいつも思います。
チヒロ『あーあ…クゥちゃんみたいなかわいい犬…飼いたいなぁ。』


いつもは朝くらいしかパパと話できないので、こんな時におねだりします。






チヒロ「パパー。ねぇー。犬飼いたいぃ。」

パパ「そんなこと言ってもね、チヒロ、生き物を飼うのはとっても大変なんだよ。」

チヒロ「ちゃんとご飯も散歩も私がするぅー。だからねぇー。おねがーい。」

パパ「んー、でもねぇ。正直なこと言うとsims2では犬は飼えないんだよ。」

 

パパ、正直すぎて子供の夢を壊すようなことを言っちゃいました。

 

チヒロ「えー。何でー!?どおしてー!」

パパ「つまりね、拡張パックがでない事にはこの世界にはペットという概念自体が無いんだよ…。」

 

パパ、続けてシム人の存在意義の根幹に触れることを言っちゃいます。

 

チヒロ「なにー?それ!カクチョウパックって何ー!」

パパ「それはね…ママに聞いてみなさい。」

 

爆弾発言するだけして逃げるなんて…パパ、ひどすぎます。







チヒロ「ママー。カクチョウパックってなにー?」

ママ「あらあら。そんな難しい事を知ってるんだ?チヒロはいい子ねぇ。」

チヒロ「違うの。パパがカクチョウパックがないと犬が飼えないって言うの!」

ママ「あらぁ、そう。それはママも知らなかったわぁ。」

チヒロ「で、カクチョウパックって何?それってどこにあるの?」

ママ「そうねぇ。」






ママ「拡張パックって言うのはね。チベットの山奥で凄まじい修行をした行者にだけ見える…」

 

チヒロ「ママ、嘘ついてる。」

 

ママ「まぁ、嘘ってばれちゃったのねぇ。ママ嘘が下手ねぇ。」

チヒロ「って言うか子供相手の嘘にチベットの行者出すってどういう事?」

ママ「ごめんねぇ、チヒロ。…そうねぇ。正直に言うとね。ママもよく知らないの。」
 




ママ「でもきっと、パパならそんなもの無くても犬を飼えるようにしてくれるわよ。」

チヒロ「ホント!?」

ママ「ホントよ。パパの昔話聞きたい?」

チヒロ「うん!聞きたい!聞きたい!」

 

こう言うところから親の過去を知っていくって言うのはいいですね。
子供にとっては、親は生まれたときから親な訳で、それ以前の生活を知るって言うのは
なんだかすごく不思議な気がしますね。…パパの昔はどんな人だったのでしょう。
 

ママ「パパは昔ね…ある国であることをした後、当局に濡れ衣を着せられて逮捕された事があるの。」


さらりと「当局」なんて言葉が出てくるのが怖いです。


チヒロ「えっ!パパって…刑務所にずっといたの?」

ママ「ううん。それからすぐに刑務所を脱出して地下に潜ったの。」

チヒロ「パパって脱獄囚だったんだ…。知らなかった…。」
 

子供のくせにすげい言葉知ってるなぁ。

 

ママ「でもね、地下でくすぶっているような人じゃなかったのよ。」

チヒロ「うそ!パパってそんなに大胆なの!?」

ママ「そうよ。筋さえ通れば金次第で何でもやってのける命知らずなのよ。」

チヒロ「エエエエエっ!」

ママ「不可能を可能にし、巨大な悪を粉砕する特攻野郎な人なんだから。」

チヒロ「す、すごいのね、パパって…」

ママ「自慢のルックスで女性はみんなイチコロなのよ。すごいわよね。」

チヒロ「ママもそれでイチコロだったのね。」

ママ「それにね、ハッタリかましてブラジャーからミサイル、それに犬でも揃えてみせることができるのよ。」
注:今頭の中に例のテーマ曲が流れてるあなた。このネタをわかってくれてうれしいです。

チヒロ「すごい!?犬も飼えるの!?」

ママ「ええ、だからパパにお願いすれば犬が飼えるわよ。」

チヒロ「うん!わかった!パパー!!!」

なんかすげい無理があるのは気のせいでしょうか?

とにかくチヒロちゃんは大喜びでパパにお願いします。





チヒロ「パパー!犬飼ってぇ!不可能を可能にしてぇ!」

パパ「チヒロ…パパはもう現役ではないんだよ。無理なものは無理なんだ…。

現役じゃなかったのか…フェイスマン。

チヒロ「やだー!道理の通らぬ世の中に敢えて挑戦してー!」

パパ「そんなこと言ってもな、チヒロ…」

チヒロ「大統領でもぶん殴ってみせるんでしょ!」

パパ「いや、それパパじゃないし…。」

チヒロ「飛行機だけは勘弁してあげるからぁ!!」

パパ「だからそれはパパじゃないって…」

チヒロ「ママー!パパがお願い聞いてくれないーっ!」




ママ「パパ、チヒロもあんなにお願いしてるんだし…飼ってもいいんじゃないかしら。」

パパ「飼えるものなら飼いたいけどね…今の我々には飼うことはできないんだ…。」

ママ「んー、まぁでも飼ってあげたら?」

パパ「いや、だから、拡張パックがなきゃ犬って存在自体がこの世界にはないんだよ。」

ママ「あらぁ、そう、でも私もワンちゃん欲しいわ。」

パパ「…俺の話聞いてる?」

ママ「聞いてるわよぉ。」

パパ「じゃあ犬が飼えないって言うのは分かってもらえる?」

ママ「うん、分かるけど…ほら、チヒロも飼いたがってるし…。」

パパ「…。」

ママ「不可能を可能にしてくれなきゃ…」

パパ「…。」

ママ「頼りになる神出鬼没の特攻野郎パパ…」

パパ「…。」

ママ「助けを借りたいときはいつでも言ってくれって…」

 

パパ「わかった!」

 

ママ「ホント?」

パパ「ああ、犬な、犬、OK。ハッタリかまして犬でも揃えてみせるぜ!」

パパ、ヤケクソ気味に答えます。

ママ「パパ、素敵よ。」

ママは今までこうやって無理なことを頼んできたんでしょうか。
聞いてるけど聞いてない…恐ろしい作戦ですね。

 

パパ「あーもう、わかった!今から犬を揃えてくる!

パパは半べそかきながら外へ駈けだしていきました。

 





ママ「チヒロ、よかったわねぇ。パパが犬を揃えてきてくれるって。」

チヒロ「うん!でもパパ、なんか泣きそうだったのは気のせい?」

ママ「そうねぇ、ちょっと無理難題押しつけちゃったかなぁ…。」

チヒロ「パパちょっとだけかわいそう。」

ちょっとだけかい。

 

こんな事を話しながらパパの帰りを待っている二人。






そこへ、玄関ドアが開く音が聞こえてきました。
パパのお帰りです。どっかで泣いてきたようで、すっきりとした顔をしています。

パパ「ゴホン…ただいまー。」




さぁ、かわいい犬は見つけてこれたのでしょうか?

続きは次のページへどうぞ。

 


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