「もう一度出逢った悲しみ」


10年振りに逢ったけど 君のづらはバレやすい。

「つけげ」だ何て言い訳は 聞きたくないよ。


 グランドで輝いていた君の坊主頭。

夕陽の中で 湯気が出ていた 坊主頭。


一生懸命走るジャージ姿を 校庭の隅で

 見つめていたあの日の私。 


あの頃の真っ直ぐな君の瞳は もう見えない。

時は流れて 君も私も変わっていって。



       でも。



君があの頃から変わってしまったとしても

もっと素敵に騙して欲しかった。


育毛でも 増毛でも 植毛でも 黒い粉でも

マジックで塗っても スキンヘッドだって言い張っても

ちょんまげにしてても構わなかった。

それなのに

今の君は 「ぱんちょ」。



[評価]高校時代に付き合っていた恋人の、出会いと別れの詩です。
同窓会であった昔の恋人が、何だか雰囲気が変わっていて、
二度と帰らない時の流れと、無くしてしまった想い出に、
ほんのりと悲しくなった記憶がある方もいらっしゃるかと思います。
そんな悲しみを味わって頂けると幸せです。
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