第三日 バス・ストップ

 

 

 

ドナドナ・ナイトもいつの間にか終り…三日目の朝がやってきました。

たき火の周りで寝入ってしまった兄弟。

 

次郎「むむむむむ…うーん。」

 

 

あたりを見渡して昨日の記憶が甦ってきた次郎。

 

 

次郎「そうか…昨日のドナドナぶっ続けていつの間にか寝入ってしまったか…」

 

 

痛む節々をほぐす次郎。

まだ寝ている兄弟を起こさないようにこっそりとポストに向かいます。

 

お金があれば牛乳の一つも買っていたはずでしょう。

朝日がとても気持ちが良いです。

 

次郎「ふむ…良い天気だ。」

すっかり目を覚ました次郎。とりあえず新聞を読みます。

と、新聞に折り込まれたチラシに目がいきました

 

 

パーティーを盛り上げるバンドマン!

次郎の笑顔が輝きます!

次郎「歌を歌う仕事!そう、これこそが求めていた物だ!」

華やかなステージ。熱狂する観衆。

興奮した次郎は兄弟を起こします。

つうかこういったお祭りに全裸の集団が現れたら…特殊な趣味の人じゃない限り喜ばれないと思うなぁ。

 

次郎「兄者!起きてくれ!」

一郎「……ふ?…む?…なんだ?…」

わらわらと起きあがる全裸。

 

次郎「一郎兄者!これを!」

一郎は次郎に手渡されたチラシをさっと見て言います。

一郎「ふむ…豊作祭り…これが?」

次郎「いや。この下!バンドマン募集!」

一郎「ほう…」

一郎はまだ事情が飲み込めていません。

次郎「バンドマンデビュー!仕事!お金!人気者!ご飯!」

興奮した次郎はちょっとインデヤンになります。

でもその辺は兄弟の以心伝心。一郎も分かってくれました。

一郎「ほう!バンドマンか!」

四郎「うむ!」

兄弟みんなが喜びます。

三郎「次郎兄者の歌さえあれば人気者間違いなしだな!」

次郎「うむ!」

謙遜を知らない人

 

 

しかしここでまたもや四郎のつっこみが入ります。原始人の癖に生意気です。

四郎「しかし兄者…」

一郎「ん?どうした四郎弟者」

四郎「現地まではどうやっていくのだ?」

一郎「農場までならタクシーで…」

一郎の言葉が凍り付きます。

次郎「…タクシー代。」

三郎「ううむ!そうか!…昨日服を買ったおかげでもうほとんど残りがない…」

せっかく思いついた名案。しかしそれを実行する資金さえも残っていませんでした。

 

 

次郎「兄者…ドナドナいっとく…?」

一郎「う…うむ。」

 

 

 

肩を落としてたき火へ向かう兄弟。

無計画な兄弟は、このままのたれ死にするしかないのでしょうか…

 

と、その時、四郎の視界の片隅に見慣れない段ボールが映りました。

 

 

 

四郎「あ!三郎兄者!」

前を歩いていた三郎の肩を叩きます。

三郎「…どうした?」

肩を落としたままの三郎が応えます。

四郎「引っ越した当日もらった箱!あれの中身を売ってしまおう!」

三郎「箱?」

騒ぎを聞き兄者たちも足を止めます。

四郎「次郎兄者を燃やしかけたあの箱!」

次郎「…!!そういえばそんなものが!」

目を輝かせる一郎

一郎「四郎弟者!」

四郎「うむ!」

 

 

四郎走る!

 

 

 

ここ数日放っておかれたままの箱!

 

 

 

四郎「ぜーはー…ぜーはー…」

四郎は箱を持ち上げるとさらにダッシュ!兄者たちの元へ向かいます。

これが売れれば安泰です。どんな物が入ってるのかは分からないのですが。

 

四郎「待たせた!これだ!」

兄者「おお!」

箱を取り囲む兄弟。

さっそくあけようとしましたが、その時三郎が声をかけます。

 

 

三郎「四郎弟者。いい加減原始人は脱いだらどうだ?」

四郎「おお。忘れていた。ちょっとしまってこよう。」

 

原始人をしまって、彼らの普段着(?)である全裸に着替えます。

こうして兄弟四人、全裸になって心機一転。

改めて箱に向かいます。

 

一郎「それでは開けるぞ。」

弟者「うむ!」

何故か画面に尻を向けている兄弟。

…ただの気まぐれです。気にしないで。

 

 

びー、びりびり…カパ…

 

 

箱が開きます。

三郎「こ!これは…!」

四郎「なんなのだ?」

 

 

中身は「なんだかよく分からないもの」でした。

 

 

(本当はシムの街の人全員に『善意』で配られる魔法スターターキット)

三郎「一郎兄者、これは?」

一郎「うむ。なんだかよく分からないものだな。」

四郎「このような物が売れるのだろうか…?」

一郎「うむ!なんだかよく分からないが売れるだろう!」

次郎「そうか。それは素晴らしい!」

兄弟はあっさりと売ってしまいました。

魔法であんな事やこんな事も出来たかもしれないのに…

 

 

 

←謎の紳士もきっとどこかで泣いています。

 

 

思いの外高く売れた「よく分からないもの」。

(無駄遣いしなければ半月は楽に暮らせる額)

気をよくした兄弟はバスをチャーターしちゃいました。無計画。

 

ブーン。

 

 

一郎「うむ。これで農場へ行けるぞ。」

四郎「どきどきするな。兄者。」

 

こうして兄弟は豊作祭りに参加すべくバスに乗り込みます。

 

さて、彼らの野望は計画通り進むのでしょうか?

続きをどうぞ…

 

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